星野 賢一

自転車グッズのキアーロ 商品部 / テラオ株式会社

仕事を   
動かすのは、
遊び心。

前へ漕ぎ続ける会社

テラオ株式会社は、大阪府東大阪市に本社を構える自転車グッズ販売店で、ECショップ「自転車グッズのキアーロ」を運営している。リアルでは、ホームセンターなどに卸業も行い、全社員がマーチャンダイザー機能を持つことを推奨。消費者ニーズを的確にキャッチし、機能やデザインなどソフト面も含めた積極的な商品開発を行っている。大阪らしいあたたかい社風で、休み時間には自然と談話の輪が生まれる。

ならではの工夫

星野さんは、入社4年目の期待の星。毎朝、愛用の電動自転車で通勤し、休み時間には愛車を磨く。テラオへの入社は自転車好きが高じてのことかと思いきや、特にそこまでの思い入れがあったわけではないと言う。入社当初は、金髪&耳にはボディピアスの出立ちで、上司にもタメ口で会話をしていたが、几帳面で真面目な仕事ぶりが高く評価され、約半年前にアルバイトから正社員登用となった。現在は、主にネットショップ「自転車グッズのキアーロ」の出荷・ピッキング業務を担い、EC部門の他に、ホームセンターなど卸の取引先からの問い合わせに対応している。規格外の新入社員だったが、今では「いないと困る存在」だと誰もが言う。
専務取締役の佐々木さんは、そんな星野さんのことを「ダウナーヴィジュアル系」と呼び、仕事ぶりをこう評する。

「日々の仕事の中で工夫をしていますよね。大きい荷物を梱包して台車に乗せる際でも、3段目まで積んだら、余っている段ボールを挟んで安定させたり。他の人がやりやすいように、お客さんが開けやすいようにとか、アシスト力の高い仕事をする。見ていて、『なるほど』と。小さなことでも、彼のやっていることには納得感があります」
日々の業務の至る所に、星野さんならではの工夫があると言う。それは「ただタスクをこなせば良い」という考えでは決して生まれないものだと言う。

ささやかな「歓喜」と出会うため

前職では、印刷会社で化粧品などに使う箱の「型」を作っていたという星野さんは、元々、手先が器用だ。テラオのバックヤードでも、梱包の箱を作ったり、テープを留めるスピードは誰よりも速い。「お客さんが開けやすいように、テープの端を折り返しているんですけど、片手でできるのは僕だけですね。他のパートさんも両手じゃないとできないみたい。これは持って生まれた才能ですね」手先の器用さは、自他共に認める「才能」だと言うが、それに甘んじることなく業務の改善にも貪欲だ。「もっと早く、もっと効率的にできないかというのは、常に手を動かしながら考えていて。自分が働きやすいようにしたいし、そのために工夫をするというのがめちゃめちゃ楽しい。より良いやり方を見出して『こっちの方が早い』と証明するのは、ゲームを攻略する感覚に近いですね」例えば、在庫の補充やピッキングの際に、該当する商品のストック箱を一旦全て床に下ろした後で、作業を行う。その方法が最も効率的かつ安全であることを、自身で見出した。ともすると、単純作業になってしまうような業務にも思考を巡らせ、疑問を抱き、仮説を立てて試行する。その結果得られる「歓喜」との出会いを、星野さんは楽しんでいる。

課題を「攻略」していく

プライベートでは一日中ゲームをするくらい「ゲーマー」だと話す星野さん。仕事への向き合い方にもそんな星野さんらしさが表れているようだ。

佐々木  星野くんは、与えられた仕事はきっちりするし、言われたことだけでなく、機転を利かして先回りして準備できる。「イメージした通りに段取りがいく」、これを大事にしているんじゃないかな。誰かが教えたというよりは自分で育っていったところがありますね。ゲーマーの気質なのか、自分で考えて攻略していくようです。あと、彼の良いところは、問い合わせの内容でちょっとわからないときは、必ず聞きにくるんですよね。「これってどうなん?」と、タメ口で(笑)

裏表がない星野さんは、パートの方との関係性も良い。特に、正社員になってからは、パートの方とのコミュニケーションから生まれるものがあると星野さんは話す。
「何か改善できることがないか、パートさんの声も汲み取れたらと思ってます。自分が緩衝材となって社内の会議に出し、それが改善できればと。案が通ったときは、ボスを倒したような気分ですね。ボスを倒して、お姫様に喜んでもらう、みたいな。普段は、明らかな嘘(ジョーク)をよく言ってるので、パートさんから『オオカミ少年』と呼ばれてます」

持ち前のユーモアさとゲーマー思考で目前の課題を攻略し、次のステージに進む。

僕が手伝えたらいいのに

ー商品部戦略本部長の片山さんは、直属の部下である星野さんをここまで見てきた。

片山 見た目とは裏腹に、与えられた仕事は責任を持ってやるし、言われたこと以外にも自分で考えて動く。翌日荷物が入る日は、想定して場所を空けておくとか。バイト時代から仕事ができる子だったんですが、彼が社員になるタイミングで引き継いだ商品撮影や画像の加工も、几帳面な性格できっちりする。それも自分で仕事の段取りをつけてやってくれています。中途半端にすることはまずないですね。

ー星野さんの資質を見抜いて採用した、代表の寺尾優美社長はこう語る。

寺尾 面接時、話してみると意外とちゃんとしてる子だなと思いました。成長意欲もあって、研修の一環でマネジメントゲームをした際は、分厚い教材を借りて帰って果敢にチャレンジしてきました。難しいので2回目はもう嫌になる人もいるなか、「ボロボロやったけど、所詮ゲームやから楽しんだらいいやん」と。彼は、前向きに受け止めていました。彼のそういうマインドがいいですよね。あるとき、片山さんの右腕になりたいと言ったんです。「僕が手伝えたらいいのに」と。その想いを聞いたときに、重要な役目を担っていってくれると思いました。

飄々と、着々と仕事をする。その根底には真面目な遊び心があった。

RECOMMENDER'S VOICE

年間で10万件をゆうに超えるECの出荷を、滞りなく中心的にこなすだけでなく、本社の出荷、入出庫処理などまで、アルバイトで入社以来ずっと大活躍で、あっという間に弊社にとっていなくてはならない存在です。ダルそうな見た目と物腰とは裏腹に笑、生真面目で几帳面、日々の業務を地道に改善し、パートさん達も働きやすいように配慮する姿勢を本当に尊敬し感謝しています。これからもよろしくお願いします!

by 佐々木 伸一(専務取締役)

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