美味しいふるさと届けたい。
「グルメ&ギフトお取り寄せ山形eLab」は、山形県天童市で約30年余り営業している茶店、株式会社緑茶園が運営するネットショップ。地域に根付いた経営で、お茶はもとより、和小物・陶器類、地域の名産品・特産品などを販売している。中でもフルーツは、収穫後すぐに発送することにこだわり、その時期の旬を「抜群の鮮度」で全国に届けている。また、今年に入り新たに展開を始めたお菓子屋さん「パティスリールシエル」は、オンラインで注文を受け、熟練のパティシエが一つひとつオーダーごとにお菓子を作り販売する完全予約制。地産地消を大切にし、地元の食材を活かしたスイーツ作りを通じて、山形の魅力を広め、地域社会に貢献している。
誰もが元気をもらう存在
槙さんは、知人の紹介で約6年前に株式会社緑茶園に入社した。現在は、ネットショップ「グルメ&ギフトお取り寄せ山形eLab」の受注・発注業務とカスタマーサービスを担当している。入社当初は、ECについての知識がなく、専門的な言葉を覚えるのが大変だったと言う。フルーツをはじめとした農作物を取り扱う商品の特性上、鮮度が落ちないよう発送時間にも追われるが、今では緑茶園の要として受注・発注業務を任されるようになった。
カスタマーサービスでは、クレームにも臆せず、誰もが認める会話力でお客様のニーズを汲み取り、寄り添う対応を重ねてきた。社内外を問わず、そんな槙さんがハブとなり、コミュニケーションが円滑に回っているそうだ。その溌剌とした笑顔の源には、槙さんのいろんな「好き」があった。
「喋るのが好き」
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社交的で明るく快活な槙さんは、とにかくおしゃべりが好き。自身の名刺には「宴会部長」と書かれており、まさに社内のムードメーカーだ。その気質は「母親譲り」だと言うが、同時にこれまでの経験によって培われたものがあったようだ。前職ではマッサージ店に勤務し、お客さんとの会話が重要な仕事の一つだった。また、ドラッグストアの化粧品コーナーでのアルバイト経験があり、そのときにあらゆる人との「話し方」を身につけることができたと言う。
現在担当しているカスタマー対応はもとより、関わる全ての人とのコミュニケーションにおいて、槙さんらしさが存分に発揮されている。
「クレームで怒鳴り散らしてきたお客さんとの電話は、言いたいことを言ってもらって、そのうちに聞くだけじゃなく、喋っちゃうんですよ(笑)最終的に『さくらんぼダメだったんで、いちごよろしくお願いしまーす』という感じで終わったときなんかは『あー喋れたな、よかったな』って悦びに浸ります。喋るとみんな機嫌が良くなると思っていて、喋っちゃうんです。社内でも特段盛り上げようとは思っていないけど、むしろ“下げないように”っていう意識があると思います。ちょっと今日は元気がないなと思えば、どうでもいい話をして引き上げたり。常識の範囲内でお互いに言いたいことを言える環境・空気作り・雰囲気を保ちたいなと思っています。社長からは『槙さんが休みの日はとても静かなんですよ』と言われたりします(笑)」
「食べるのが好き」
プライベートではカフェ巡りなどで美味しいものを探すのが趣味だという槙さんは、とにかく食べることが好きで、県内の最新グルメ情報にも敏感だ。緑茶園のインスタグラム公式アカウントでは、そんなグルメな槙さんならではの視点で商品情報や山形のグルメを発信している。
「美味しいものを食べるの、好きですね!この仕事は好きですけど、食べることは『目的』で、仕事はそのための手段かな。働いてお金をもらわないと、好きなもの、美味しいものを食べられない。これが仕事の原動力。嫌なことがあっても、食べて寝たら忘れるんです。ハッハッハッハ(笑)」
槙さんの仕事への原動力は、とてもシンプル だった。「食べて寝たら、つらいことも忘れる」と、日頃から他のスタッフにも話している。
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「笑顔が見たいから」
緑茶園が新しく始めたお菓子屋さん「パティスリールシエル」。パティシエの日下部浩一さんは、山形県河北町生まれで、高校卒業後スイスに渡り、スイス日本大使館・チョコレート専門店ステットラーなどで研鑽を積んだ。帰国後は有名フランス菓子店で働き帰郷。地元に根を張りお菓子屋さんを営んでいたが、病気の後遺症で一時期休業していた。そこに遠藤社長から「冷蔵のお菓子を作ってもらいたい」というオファーが入り、槙さんの強い後押しもあり、週末限定という形で再スタートを切った。実は、日下部さんは槙さんの叔父にあたり、二人はまるで兄弟のような関係性だと言う。
日下部 「しばらくお菓子作りから離れていたんです。もうこの仕事をやることはないなと思って、お店を手放そうとしていたところに、遠藤さんからお話をいただいて。一度はお断りしたんですが、姉(槙さんのお母様)や母、家内や槙さんにも『ほんとにやめていいの?道具も店も売っていいの?』と言われて。幸い、体も戻ってきたので、『いいんですかね、私で』とスタートしました。いざやり始めると…面白いんですよね(笑)食べてもらうときの顔を見ると、やっぱりやめられないです」
槙さんは、幼い頃からずっと“叔父のケーキ”を食べてきた。
槙 「私のなかで『ケーキ』と言ったら、浩一くんのケーキ。すごく美味しいものを食べさせてもらってたんだなって、大人になって気づきました。私は生まれてすぐに大病を患って、実はそのとき叔父から血をもらっているんです。だからなのか、叔父だけど兄弟のような感じで、親族からはよく似てるって言われます。食べるのが好きなところも一緒(笑)」
幼い頃からずっと食べてきた“叔父のケーキ”が、世界で一番好きだと言う。槙さんの美味しいものへの愛着のルーツが垣間見れた。
「心通わすコミュニケーション」
カスタマーチーフの遠藤都さんは、槙さんと同郷で、小学生時代は通学班が一緒だったそうだ。
「槙さんは、昔から活発で話も上手。仕事ではこちらが勉強になることも多いです。たとえば、特定の商品についての問い合わせにも『こんな商品もありますよ』とご提案をしたり。りんごの季節に、お年寄りの方が贈答品で5kgの商品を選んでいたら、3kgの商品もお伝えしたりとか。心が通い合う会話をしてくれています」
ECサイトのページ制作をする東海林さんは、槙さんについてこう話す。
「受注からお客様対応まで、全ての真ん中に槙さんがいる。誰に対しても同じように接する槙さんを尊敬しています。実は、ここに入社したいと思って電話したときに取ってくれたのが槙さんだったんです。『こういうフランクな方がいらっしゃるんだ』と、すごく良い印象だったのを覚えています」
美味しいものが好き。そして何よりも人が好き。槙さんのその想いが、関わる人の笑顔となり、緑茶園のたしかな味につながっていた。
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日下部さんは、帰国後、有名フランス菓子店「AU BONVIEUX TEMPS(オーボンヴュータン)」で働いたのち、山形へ戻る。小学生のとき、一番最初に作ったケーキをおばあちゃんが喜んでくれたのがお菓子作りの原動力だと言う。素材の良さを最大限に活かすため、余計な添加物や保存料を使用せず、自然な味わいにこだわった製品作りを心がけている。「一個で満足できないケーキは作るな」をモットーに、流行を追い求めない王道のスタイルを貫く。
RECOMMENDER'S VOICE
受賞おめでとうございます!山形elabの強みの一つである「カスタマーサービス」の最前線で、いつも親身にお客様の話を聞き、寄り添った対応をしてくれているのは、本当にメンバーの力になっています。天候に左右される、さくらんぼをはじめとしたフルーツをお客様の希望に沿って受発注対応する一方で、常に社内を明るくしてくれているその姿勢に感謝しています。これからも、良いチームを一緒に作っていきましょう!