「住+(じゅうたす)」は、じゅうたす株式会社が運営するネットショップで、「DIYをサポートする」をテーマに、木製品の加工・販売と住宅建材の販売をしている。これまで複雑な手順や専用の工具が必要だったDIYの世界を、「誰でも気軽に安心して楽しんでもらいたい」という想いでオリジナル商品を開発。木製フレーム、各種メーカーとのコラボレーション商品、ボルダリング建材、各種DIY商材、木製雑貨、また賃貸住宅でも気軽にDIYができるよう工夫された商品などを取り扱っている。今回受賞した前川さんは、じゅうたすに入社して3年目になる。業務は、木材の加工、梱包・発送を担当し、現在は先輩の村岡さんとともに二人で業務にあたっている。村岡さんとは入社以前からつながりがあり、じゅうたすがスタッフの募集をしていることは村岡さんから聞いたと言う。その後、前川さんは、求人情報サイトから応募し、入社に至った。
「前職では、介護職員をしていたんですが、結婚を機に退職しました。その後、また仕事を探していたところ求人情報サイトでじゅうたすが掲載されているのを何度か見かけて。『DIY』って書いてあったので興味があってチェックしていました。元々、多肉植物が好きで、趣味で木箱を作って寄せ植えをしたり、リメ缶を作ったり、簡単なDIYをしていたこともあって、どうせなら好きなことを仕事にしたいなって思って応募しました」
代表取締役の駒田さんは、村岡さんとの関係性については知らず、後になってそのことを聞いたと言う。面接時に折り鶴を折り、手先が器用だったこと、そしてアウトドアやDIYが好きで、もの作りが趣味だということが採用の決め手となった。
「聞きやすい、言いやすい」
じゅうたすの朝は、朝礼から始まる。その後、それぞれの持ち場へ別れるが、商品の発送と加工を担当する前川さんと村岡さんは、市内にある仕入れ先の商社へ車で向かい、およそ40分かけて建材をピックアップし、拠点に戻る。その間に受注チームが準備していたリストを元に、その日発送予定の商品を揃え、梱包。発送の準備が落ち着いたところで、木材のカットや色塗りなどの加工にあたる。前川さんは、多岐にわたる業務の一つひとつを村岡さんから教わった。今では村岡さんの休みの日には、その全てを一人で対応するまでになった。入社からの2年を振り返り、前川さんはこう話す。
「私にとって『聞きやすい、言いやすい』というのは仕事をする上ですごく重要なことなんですが、ここでは人間関係に悩んだり、変に気を遣うこともないので、わからないことがあれば、すぐに相談できる。社長も話を聞いてくれますし、何よりも村岡さんがいてくれたから続けてこれたんだと思います」
困ったときに気兼ねなく相談できる、良好な関係性が働きやすい環境を生み出していた。
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“ 楽しい ” が勝っている
私の母親は介護職だったんですけど、日常の会話の中でよく仕事の話をしてくれて、「大変やけど楽しい」って言っていたんですよね。いつも楽しそうにしていたので、大変な中にも楽しさがあるんだなって思っていました。前職で介護職に就いたのは、そんな母の影響があったのかもしれません。実は、父親は大工だったので、家を建てる前の木材でいっぱいの環境で育ちました。建前の日とか、現場について行くことがよくあって。子供の頃からずっと木の匂いが好きでした。思えば、それが今の仕事につながっているのかも。ここは吹きさらしで冬は寒く、夏は暑い。環境的には大変だけど、それでも楽しい。自分の中で、辛いよりも「楽しい」が勝っていると思います。
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STAFF INTERVIEW
村岡さん
良き相棒
前川さんは、入社当初から飲み込みが早く、手先がとても器用なので、業務もすぐにできるようになりました。作業も丁寧で最後まできっちりやってくれるので、「私はこれをするから、前川さんはこれをやっておいて」と任せられるし、信頼し合い、補い合って仕事ができる。私にとって、彼女は良き相棒ですね。商品の品質について「これどう思う?」って相談するときも、お客さんの立場に立って「これが届いたら私は嫌」と、はっきり言ってくれるので助かっています。一見クールだけど、「これをしたら、他のスタッフはどう思うかな」とか、実はすごく周りへの気配りもあって。彼女の方が年下なのに、いつも私の話を聞いてくれる「聞き役」でいてくれています(笑)
「好き」は商品に宿る
木材の加工は、自然のものを扱う特性上、一つひとつに個体差もあり、非常に難しい。商品の品質にも直結するため、村岡さんのサポートのもと、前川さんは慎重に着実に技術と経験を積んでいった。
「加工はどれも大変なんですが、塗装は、『これがうちの色』というのがあって、素材によっても調整するなど、最初はすごく難しかったです。材質上、傷などの判断が難しいこともあって、とにかくそういうときは『悩んだら確認、迷ったら確認』で進めてきました」
難しい業務にも向き合い、常に責任感と向上心を持って対応してきた。その原動力はどこにあるのか?
「仕事なので大変なこともあるし、ちゃんとしないといけないという緊張感はあるけれど、木材をカットしたり塗装している最中は、仕事ということを忘れているというか、作業じゃないんです。その“行為”が好き、みたいな。加工済みのものでも、バリが残っているなと気づいたら綺麗にしたい。そうやって手をかけると愛着が湧くし、売れたときは、それが旅立っていく喜びを感じますね。ここでは毎日が楽しいし、作ること、木に触れることがやっぱり好きなんだなって思います」
もの作りが好き。その想いが商品の一つひとつに宿り、旅立っていく。
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がっかりさせないように。
梱包・発送業務において、日頃どのような想いで業務にあたっているのか訊いた。
「商品を送る側は、最低限ちゃんとしないといけない、という気持ちで仕事をしていて。例えば、梱包作業では、なるべくミスをしないように、必要なものを書き出してチェックし、梱包後に再度チェックをする。必ず2回チェックをするようにしています。梱包の仕方についても、自分がネットで買い物をしたときに、届いた商品が雑な梱包をされていたら、やっぱり残念に思うし、そうはならないようにと心がけています。届いたときにがっかりさせないようにって。そんななか、お客様のレビューで自分が対応した商品について『梱包が丁寧で素晴らしかったです』『早く届きました』と書かれていると、ほんとに嬉しくなりますね。逆に、発送内容を間違えてしまったり、低レビューを見たときなんかは、一日へこんでしまいます。直接お客様と関わるところなので、いつも『大丈夫かな、大丈夫かな』と思いながら業務にあたっています」
自分が商品を受け取ったときにどう感じるか?そのリアルな視点で、商品を作り、届けたい。そんな前川さんらしさが、たしかな品質を守り、日々、じゅうたすのバックヤードを支えていた。
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RECOMMENDER'S VOICE
チームの人数が減って急遽体勢が変わり大変なのに毎日ありがとう。スタッフの中では一番新しいにも関わらず人数の足りない部分を立派に穴埋めして中心になって頑張ってくれて助かってます。これからも引き続きよろしくお願いします。