クリックル株式会社は、大手メーカーの飲料やオリジナルブランドの飲料をオンライン販売している。主力のオリジナル商品「Ｔｈｅ Ｓｉｌｉｃａ」は、皮膚の真皮層のコラーゲンを増やすほか、コラーゲン同士を繋ぐエラスチンの結びつきを強化する働きがあるため、肌の弾力を高め、ハリやツヤをアップする効果が期待できるミネラルウォーターだ。メーカーである強みを活かし、数あるシリカ水の中でもお求めやすい価格でお届けしている。クリックル楽天店は出店１０年を超え、水・ミネラルウォーター部門での楽天グルメ大賞や、２０１９年にはショップ・オブ・ザ・イヤーの受賞も成し遂げてきた。

個人でのバックヤードアワード受賞となった佐伯さんは、受注業務を整備しＣＲＯＳＳ ＭＡＬＬ導入から安定した稼働まで支え、業務効率化に大きく貢献した。

新しい仕組みづくり

佐伯さんは、美容系の専門学校からエステ会社を経てクリックルに入社し、現在５年目を迎える。元々、パソコンで作業することが得意だったこともあり、事務職で入社となったが、ネットショップは未経験だった。「はじめは単純作業を機械的にこなしていたんです」受注処理業務で数字の入力から始まったが、受注から配送までの全体の業務フローにどのような意味があるのかをあまり理解せず、言われたことをこなす日々。単純作業を機械的に繰り返す中でミスを招くこともあったという。
４年目を迎えた頃、彼女に転機が訪れた。
社長の藤田さんから「このまま言われたことを、ただこなすだけでいいのか。受注業務を取り仕切る役割を担ってほしい」と、背中を押され、ＣＲＯＳＳ ＭＡＬＬを導入し稼働させる任務を授かった。これまで人海戦術で行っていた受注処理も、同僚の産休などにより人員不足が露呈し、業務効率化が急務となっていた。

試行錯誤を経て

「本当にゼロから仕組みを作っていくこと自体が初めてで。右も左もわからない状況でした」
受注の入力作業と異なり、業務の要件や機能を理解し、検証していく。自身で判断をしていく局面が多く、プレッシャーに押しつぶされそうにもなったが、ＣＲＯＳＳ ＭＡＬＬのサポートと二人三脚で取り組み、稼働にこぎつけた。
「悩むこともありましたが、『私が任されていることなんだ』と自覚が芽生えたきっかけになったというか。やりきったときには自信も生まれました」
裁量を与えられたことで責任感が芽生え、仕事に誇りを持てるようになっていった。

頼られる存在に

通販事業部次長の北田さんは、佐伯さんにリーダーとしての自覚が芽生える様子を見ていた。
「ＣＲＯＳＳ ＭＡＬＬ導入時は、分からないことを一つひとつ潰していくのが大変だったんじゃないかなと思います。今では、他のスタッフから質問があったりすると、すぐに返答できている。システムをだいぶ理解しているんだろうなと。何かチームでミスがあった際にも、補うスピード感がすごい。彼女の処理能力は、真似できないですね」
新入社員の河内さんは、彼女を憧れの存在としている。
「アドバイスが的確で、ミスがあった際も具体的な対応方法を教えていただいて感謝しています。私自身も佐伯さんのように頼られる存在になれたらなと思います」
システムの導入後も試行錯誤を繰り返し、ミスなく安定して稼働できるようになった。そして業務を最も理解し、後輩に伝えていく立場として、何を聞かれても答えられるよう、日々勉強に励んでいる。
「レクチャーする際は、何の意味があって、この作業があるのか。自分が分かっていなかった業務の流れを補足しながら伝えるようにしています」
ただ入力をこなすだけだった佐伯さんは、仕組みを作る立場に成長。その経験は後輩への指導にも活かされている。

誇りを持ってこれからも

「現状は安定稼働できている状況ですが、自動処理の機能をもっと活用して、さらに効率化を図っていきたいです。また、自社でどのようにＣＲＯＳＳ ＭＡＬＬを使っているのか、はじめて使う人でも処理している内容を分かりやすくまとめていきたいです」
周囲の期待に応え、水のように柔軟に、しなやかに仕事への意識を変えていくことができた佐伯さん。その誇りを胸に、これからもリーダーとして日々改善を続けている。
佐伯さんの成長を陰で支えた社長の藤田さんはこう語る。
「自分で責任を持って、取り組める業務を作って、会社の中でも頼られる存在になってほしいんだと。そう伝えたことがきっかけでした」
年二回開かれる面談の際、思いの丈をぶつけた。後輩を従え、導いていく存在になることを願っての言葉だった。
「稼働までの原動力になったのは、面談を経て意識が変わったことだったとは思います。ただ、それだけではなく、一緒に働くチームメンバーを楽にさせてあげたいという想いもあったな、と」
葛藤しながらも諦めずにやり切った姿を傍で見守っていた藤田さんは、佐伯さんの成長ぶりに目を細めた。今後は受注にとどまらず、業務範囲を広げてもらえたらと、より一層の活躍を期待している。