株式会社ファルベは、広島県広島市にオフィスを構えるデザイン会社。ロゴデザイン・チラシ・グラフィック販促ツール、会社案内パンフレットなど印刷物の制作などをBtoBで行うサービスと、自社サイトでのEC事業として主に婚礼用のオリジナルアイテムを販売する小物通販サイト「FARBE(ファルベ)」を運営している。
今回受賞した木下さんは、EC事業部の制作・出荷担当。注文の内容が個で異なるオーダーメイドの特性上、ミスを予防するためのチェック作業も容易ではない。木下さんは、チームメンバーを信頼しつつも、「間違いは起こってしまうもの」という前提でチェックするのだという。そこには、お客様にとって大切な婚礼の贈りものに間違いがあってはならないという緊張感と、発送前の「最後の砦」としての責任感があった。
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結婚式は人生の中でも大事な一日だから。
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決して間違いがあってはならない緊張感を木下さんは知っている。学生時代、ブライダルスタッフとして勤務した経験があるためだ。新郎・新婦は長い準備を重ね、ハレの日を迎える。音響エンジニアとして携わり、婚礼に関わる仕事への責任を十分に理解していた。その経験が、結婚式の招待状やオリジナルの贈呈品を販売するファルベでの出荷業務に活かされている。
「正確さとスピードにはこだわって仕事に取り組んでいます。また、備考欄には御祝いの状況や商品の利用シーンが詳細に書かれていることもあって、お客様それぞれが想いを持って注文していただいているんだということは忘れないようにしています」
細やかな気遣いを
取り扱う商品が婚礼関係ということもあり、お客様もこだわりを持って注文されることが多くなる。例えば、ご希望のお客様にはラッピングした状態で発送するが、自身で「ひと手間加えて包みたい」などのご要望をいただくことも。
「商品の形によっては包装が複雑で、慣れていない方には難しいんじゃないかなと思い、ラッピング手順を書いて同封したところ、とても喜んでくださいました」
商品が届いた際のお客様のリアクションや、活用シーンを想像できる木下さんならではの細やかな気遣いだ。お客様からは感謝のお便りが届くこともあり、制作やオペレーションのこだわりが伝わったり、出荷のご要望に応えられた時にいただくお褒めの声は励みになっている。
一方で、改善点にも目を向けて常に模索し、一喜一憂することなく、あくまで冷静に自身やチームの仕事の良し悪しを客観的に捉えている。
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間違いは起こりうるものとして
「私は出荷業務を行うことが多いんですが、注文されてからデザイン・制作を経て『最後の砦』に当たるんです。もちろん制作や梱包過程のメンバーを信頼しています。しかしその一方で『間違いは起こるもの』という前提で最終チェックをしています」
写真入りの招待状やウェルカムボード、出産や還暦祝いのプレゼントなど、扱う商品は多岐にわたる。注文の内容が個で異なるオーダーメイドの特性上、制作や検品時のチェックをマニュアル的に行うのは難しい。注文票と送り状を照らし合わせ、一点ずつ異なる商品を確認するため、人によっては気付かない間違いが起こりうる。
「制作や出荷においてミスがないようするためには、取り扱う商品をよく知ることかなと思って、チームメンバーと注意点や商品の特徴などを共有する場を設けています」
彼女の発案で商品の勉強会を実施するようになった。入社一年にも満たないが、先輩の竹本さんから「常に冷静で人当たりが柔らかく、チームメンバーをまとめられる存在」と評され、信頼は厚い。
「チームメンバーに何か伝える時は、一旦相手の状況を見て落ち着いて一呼吸入れるようにしています。それから改善策を提示したりするように心がけています」
皆を信頼し良好な関係を築きつつ、時には伝えるべきことをきっちり伝えられる。改善点や対策案を自発的に提示できる。制作・出荷業務を行う中広オフィスに欠かせない存在となっている。
お客様一人ひとりの人生の節目や思い出の瞬間に花を添える仕事。商品が届いた時の喜びを想像し、発送前の「最後の砦」として責任を持つ。業務に関わるメンバーを「信じること」と、間違いは起こりうるものという前提に立ち「疑うこと」の両者は矛盾しているように思えるが、木下さんのそのスタンスこそがミスの許されないファルべのバックヤードを支えている。
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STAFF INTERVIEW
竹本さん
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先輩の竹本さんは木下さんの印象をこう語る。
「自身の業務だけでなく、朝礼時にその日の業務全体の流れを把握し、俯瞰で見てサポートが必要なところに回ってもらえたりするので、すごく助かっています。責任感が強く仕事に対してはシビアでありながら人当たりがよく、余計なプレッシャーを与えずに、皆とコミュニケーションがとれています」
「婚礼関連の商品はこだわりを持って注文される方が多いんです。お客様ご自身でラッピングする際の指示書を同封する件は彼女の発案でしたが、そういったイレギュラーな対応にも臆せず提案できるのは、『どうすればより喜んでいただけるか』という視点を常に持っているからこそだなと感心しました。お客様に寄り添った対応は、ファルベの文化でもあるのですが、会社が大事にしていることに気付いて自発的に行動に移せるところは素晴らしいと思いますね」
STAFF INTERVIEW
平井さん
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本社の大手町オフィスでオペレーターとして働く平井さん。木下さんとは注文内容確認などのやり取りをしている。
「頻繁にやりとりしている間柄ではないんですが、きっと頭の回転が速い人なんだなと。入社して一年も経っていないのに、出荷件数が多くても淡々とまわせているのはすごいと思います。一見柔らかい印象ですが、中広オフィスをまとめている存在です」
「自分の持ち場だけでなく、注文を受けてから出荷までバトンリレーであることを意識して仕事に取り組めているんじゃないかなと。オフィスが違ってもスムーズにやり取りできているのは木下さんのおかげもあるのかなと思います。本社内でも模範として話題に上がっています」
STAFF INTERVIEW
八木さん
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本社の大手町オフィスで働く八木さんは、プライベートでも入籍祝いで食事に行く間柄だ。
「仕事でもプライベートでもフラットな感じというか、あからさまに気を使うのではなく自然にできるので、周りが嫌な気持ちにならないです。中広オフィスの方は子育て中のパートの方も多く、ある程度柔軟な勤務状況に対応するためには各々が業務範囲を広げていかないといけなくて。以前は先輩の竹本に頼りきりになっていたのですが、久々に中広に行くと皆見違えるように自立できていたのが印象的でした。木下さんが率先して広げていったんじゃないかなと思います」
RECOMMENDER'S VOICE
忙しい時も笑顔を欠かさず、また新しい業務に対しても前向きに取り組んでくれるその姿勢がすばらしいです。チームをまとめてくれ、聞きやすい環境、ディスカッションしやすい環境になっているのも木下さんの人柄からくるものだと思います。いつもありがとうございます。今後もそのスタイルで改善改革し、チーム力をあげてくださいね。一緒に頑張っていきましょう♪