子供と歩むみんなのために
株式会社ルカコは、2013年に抱っこ紐収納カバー専門店としてネット販売を開始。2015年に法人化し、小さい子供がいても働けるよう、「おたがいさま」を大事にした気軽に休みやすい環境を整えている。オーナーである仙田さんの、子育て中に出た悩みから考案された「抱っこ紐収納カバー」は、10万個以上の販売実績を誇り、シェアNo.1と大人気商品となっている。
現在では、大阪府豊中市と、東京都世田谷区下北沢に、実店舗「ルカコストア」を展開。抱っこ紐収納カバーをはじめ、15種類以上の抱っこ紐・ヒップシートを実際に試着して比較できる。丁寧なカウンセリングでお客様のニーズに合った商品を提案し、ネットショップ、実店舗共に多くの人に愛されているショップだ。
ルカコだからこそ
オーナー仙田さんの子供たちの名前に由来するという「ルカコ」。当時、二人の子供を子育て中だった仙田さんが、働きたいけど働けない、悶々とした日々を過ごすなかで、「だったら家でやる!」と、お小遣いの5万円でスタートしたのが、ルカコの始まりだった。
「赤ちゃんの抱っこ紐を、使っていないときに収納できないか」という困りごとから誕生した「抱っこ紐収納カバー」は、瞬く間にヒット。当時は、育児をしながら仙田さん自ら手作業で縫製をし、受注・梱包・発送まで一人で対応していたという。そして1年が経つ頃、一人では回らなくなり、ママさんスタッフを雇うことに。幼稚園の早帰りにも対応できる時間帯で募集したところ、応募が殺到。そこから、縫製チームと受注チームが生まれた。
ルカコの抱っこ紐収納カバーは、「ママが創る、ママの商品」として、縫製チームのスタッフが一つひとつ丁寧に制作している。厳しい検品も行い、クオリティには自信があるからこそ、無料修理保証も行っています、と仙田さんは話す。
「この前、修理に来てくれたお客様は、一人目から使ってくれていて、今回三人目の子供が生まれたときに、ルカコの無料修理を思い出してくれたみたいで。『三人目でも使えるなんて、思ってもなかったです。この柄が好きだったから、また使えて嬉しいです』ってお声をいただきました」
一つひとつ心を込めて商品を届けてきた。そんなルカコだから、つながり続けるファンがいる。
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一通のラブレター
今回受賞した光田葉月さんは、今から5年ほど前にルカコと出会った。出産を機に働くことから離れていた光田さんだったが、子供が1歳を迎えた頃、「また働きたい」と考えるように。在宅での仕事を探しているとき、偶然見つけたルカコのブログに、衝撃を受けたという。
「ルカコだから育児しながらでも働けたという内容のブログで、何この会社!こんなことさせてくれるんだ!って驚きました。場所も当時住んでいた所からすごく近くて、急いでスタッフ募集を探したんですけど、見つからなくて。これは自分で連絡するしかないな、って思ったんです。久しぶりに履歴書と職務経歴書を準備して、メールで想いを綴って送りました」
光田さんの想いは確かに届き、仙田さんと直接会うことができた。面談の結果「まずは家でできるブログから」と、ルカコでの仕事がスタートした。
光田さんが書く記事は“リアルなママの声”として、ママたちの核心をつくものばかり。
自身の経験からセレクトした便利グッズの紹介や、育児中の日頃の想いを書いた記事は、多くの人に読まれ、ブログのアクセス数も上がった。
それから1年が経った頃、副業を始めようかと悩んでいることを仙田さんに相談したところ「接客向いていると思うから、ストアに立ってみる?」と、提案があった。光田さんは最初、その言葉に驚いたと言うが、家族の協力もあり、週に一度、接客スタッフとして実店舗に立つことになった。
売る、よりも大事なこと
光田さんは、大阪府豊中市で生まれ育ち、大学卒業後は某大型テーマパークのオフィシャルホテルに就職。代表電話窓口にて、宿泊予約やケーキのサプライズの手配などを行っていた。
「予約時のご要望を担当部署へ引き継いだりしていました。お客様は楽しい思い出を作りに来ているので、とにかくその想いを裏切らないように努めていました」
約3年間勤めた後、次の職場でも代表電話窓口として働いた。これまでずっと接客業に携わってきた光田さんだが、以前は内気な性格だったと話す。
「大学では最初、馴染めなくて、一人でお茶して帰る感じでした。でも、アメリカに1年間留学してどんどん自分が開いていって。人との交流が楽しくて、帰るときはこの世の終わりくらい号泣してましたね(笑)留学していなかったら、今の仕事に就いていないと思います」
店舗スタッフとして再スタートを切った光田さんは、最初は不安だったという。
「前職では、いかにクレームを出さないかを大事にしていたので『ミスをしてお店に迷惑をかけてはいけない』と、最初はすごく緊張していました。ルカコの商品知識に対する不安もあって、ノートを作ってガチガチに知識を入れていたんですが、途中で『あれ?何か違う』と思って。お客様が何を求めているかを考えて、寄り添う。ルカコの接客を見て、それが一番大事なんだって気づいたんです」
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お客様の悩みを優しい笑顔で聞く光田さん。自身の育児経験を活かして、親身に寄り添う。まっすぐ目を見て接客をする。「誠実で嘘のない言葉はお客様に伝わるから」と光田さんは話す。
接客に宿るもの
一緒にストアに立つスタッフは、光田さんの接客を「優しさで包み込むような接客」と表現する。そんな光田さんに、接客で大切にしていることを尋ねた。
「見るからに寝不足だなって心配になるお客様には、話を聞くことから始めています。話していくうちに、閉ざしている心を開いてくれて。その困りごとに合わせて、例えば、ヒップシートの横抱きだったら今ほどしんどくないよ、とか、お子さんを連れてきていたら、実際に商品に寝かせてみて、泣かなかったらこれでいけるかもね、とか提案しています。『寝なあかんよ~』って言ってますね。寝不足は人をおかしくするって、わかってるので(笑)」
お客様が心を開いてくれる、“光田さんの接客”の背景には、一体何があるのか。
「真面目に働く、ちゃんとする。嘘のない、素直な言葉でお話すると、心を開いてくれるんです。誠実さとか、優しさとか、そういう気持ちで接することで、結果的にルカコに貢献できていればいいなと思います」
何よりも、お客様の困りごとを解決するために、真面目に向き合う。時には、お客様にとっていらないものは「いらないですよ」とお伝えする。そんな誠実な光田さんだからこそ、お客様は胸の内に秘めた悩みや重荷を下ろすことができるのだろう。光田さんの接客は、どんなときも「プロのように、母のように」。誠実で嘘がなく、あたたかい優しさで溢れている。
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生地の品質への拘りも、創業時から変わらない。一枚一枚、熟練の技で丁寧に裁断。スナップボタンの取り付けに至るまで手作業で行う。いつまでも使ってもらえるように、無料修理保証でお客さんに寄り添い続ける。
私にないものを持っている
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STAFF INTERVIEW
仙田さん
ルカコのオーナーである仙田さんは、光田さんと出会った当時の印象についてこう語る。
「ラブレターが届いて、面談をすることになって。想いを聞いていたら、すごい熱意のある子だなって思いました。でも、子供の年齢を考えて、まずはブログから始めてみよか、と。そしたら、駅からストアまでの行き方を写真に撮って書いてくれたんです。しかも、ベビーカーで階段を使わない行き方まで。ブログっていつも書いてほしい内容のニュアンスを伝えるのが難しいけど、葉月ちゃんは自発的に動いてくれました。どんなことでも1言ったら10できるんです。すごい仕事ができるなって思いましたね」
ベテランスタッフが多いなかでも、違和感なく働く姿を見て、仙田さんは驚いたと言う。「空気のように馴染むのに、芯はしっかりしていてブレないんです。お客様が本当に求めていることの、その先の悩み事まで予測できる。必要ないものは、必要ないとちゃんと伝えることもできる。その姿勢が結果的にファンにつながっていると思います。そういった部分で、ルカコと『想いが共通』しているな、と思いますね」
学び合って成長する
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STAFF INTERVIEW
片山さん
片山さんはストアに立つことも多く、光田さんの接客を一番近くで見ている。
「葉月ちゃんは、初日から何も教えていないのに接客を始めてました。自然に私たちのやり方を見て、覚えて、吸収して。でも彼女なりのスタイルを探してやってくれています。『お客様のためにどうにかしてあげたい、言葉の裏側を知りたい』っていう気持ちが強くあるから、一緒に歩むような、優しさだけで包み込むような接客ができるんだと思います。きっと、人のことを自分のことのように考えることができる人なんだろうなって。プライベートでも親身に友達の相談に乗っている姿もみているので、自分ごととして捉えられる力があるんだろうな、と」
創業時からルカコで働くベテランスタッフである片山さんだが、光田さんから学ぶこともあると言う。
「お客様自身が言葉にできない本当の気持ちを汲み取ろうとする姿勢を持っていて、そこは私たちも学ばないとなと思います。たまに、自分が接客しているとき、葉月ちゃんだったらどう対応してたかなって考えることもあります」
優しさと冷静さ
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STAFF INTERVIEW
土生さん
土生さんは、光田さんとは仕事の同僚というより友達のような感覚で接していると言う。一緒に帰ったり、たまにお茶をしたり、休日にはランチに行ったりする関係だ。
「葉月ちゃんは、心配性ですね。常にいろいろなことを想定して、ずっと考えてる。そんなに考えてたらハゲるよって言っています(笑)あと、冷静なところもあって。自分自身のことも、育児で大変なはずなのに、俯瞰で見て冷静に分析してる。ブログでもその分析が活きているんだろうなって思っていました。年下ではあるけど、ちゃんと自分を持っていて、突っ込むところは突っ込むし。『よく見てんな~この子』って思いますね」
接客においても抜群の安定感がある。
「すごい頼りがいがあります。接客で私がテンパってるときには、お客様に悟られないように、そっと後ろからフォローしてくれて、落ち着かせてくれるんです。まるで母のようなあたたかさがある。お客様が沢山来られた際にも、周りをよく見てバランスをとりながら動いてくれるので、すごくありがたいなと思っています」
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RECOMMENDER'S VOICE
受賞おめでとうございます!お客さまからの意見や要望だけでなく、日常の困りごとに耳を傾け、その先のあったらいいなを提案し、1組1組丁寧に寄り添って、臨機応変に接客する姿はまさに私たちの誇りです。お客さまだけでなく、スタッフへの気遣いや笑顔、アイデア出しなど、葉月ちゃんの強みを活かした働き方に感謝!ルカコスタッフ一同より感謝を込めて。